フラワーエッセンスの植物研究ノート

自然や植物とのつながり、フラワーエッセンスのことなど

枇杷のプロフィールその3

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のつづき。

 

 

冬~夏~秋

 

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冬の間花枝をすっぽり毛皮でつつみこんでいるが、中はとても鮮やかな黄緑で 生命力があふれている。

 

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夏、果実が終わった後に出てきた芽。

 

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そして秋にまたぶどう状のつぼみとなる。

 

 

9.枇杷の病気と害虫 かかりやすい病害  

 

・がんしゅ病、白紋羽病、灰班病、ごま色斑点病、 害虫  ビワサビダニ、モンクロシャチホコ、ハマキムシ類  アオドウガネ、ミノガ類、モモチョッキリゾウムシ  コウモリガ、クワカミキリ、ナシミドリオオアブラムシ  ミカンハダニ

 

 

10.化学成分と作用

 

ビワの葉の成分は、ブドウ糖・蔗糖・果糖・マルトース・でんぷん・デキストリン・酒石酸・クエン酸・リンゴ酸・アミグダリン・タンニン・サポニンなど。

 

中でも、アミグダリンという物質は「ビタミンB17」とも呼ばれびわの種子には、びわの葉の有効成分といわれるアミグダリンが葉の1300倍も含まれています。 実はカロチノイドと果糖を含む。

 

★アミグダリンの作用

抗ガン作用 鎮痛作用 殺菌作用 血液浄化作用

 

11.生活面での用途

 

・.薬草としての用途

果実はもちろん食用に。花蜜ははちみつもあります。 木材は堅くて弾力があり、丈夫でよくしなるので木櫛、印材、杖などに使われ、特に木刀は一級品とされています。

樹皮や葉は染物にも使われます。

樹姿が見事な半円形になるため欧米では観賞木にされています。 葉と種は民間療法として使用されることが多い。 すべて無駄なく用途があるようです。

 

★民間療法 枇杷葉湯・・江戸時代に大流行 健胃作用、暑気あたり、下痢止め、去痰作用がある。 入浴剤や湿布としてかぶれ、湿疹、あせもに。 お寺に枇杷を植えてお坊さんが人々に民間療法として使用。 6世紀ごろ、仏教医学からびわの療法が伝わる。

 

アーユルヴェーダチベット医学の文献の中にびわの療法は見つからなかったので、現在もっともびわの療法はおこなわれているのは日本ではないかと思います。 中国で広く栽培されていますが、東洋医学の中では健胃や下痢に使われる程度で、 葉を使って温灸や種を食べるといったものはないようです。 やはりお寺での療法からの広まりがかなり大きいようです。

 

枇杷の葉・実の療法

枇杷の葉で温湿布 枇杷の葉で温灸 葉でエキスをつくって湿布や入浴剤に。虫さされややけどにも効果的。 エキスをうすめて、化粧水にもできる。

枇杷の実で果実酒をつくって薬用に。 枇杷の種を粉末にして食べる。 がんの痛みには温灸がよいということで民間療法の中でもがんの方にはよく 利用されているようです。

胃腸の不調、暑気あたり、風邪や気管支炎にもよいらしいです。 びわの種だけで薬用酒をつくってもとても甘いよい香りがします。

 

 

12.伝説神話・伝承、精神的および儀式的用途

ほとんど見当たらない。日本で広まっている枇杷の葉療法は仏教医学から伝えられたということでインドが発祥らしいが文献未確認。 日本では枇杷の木はすぐ大きくなって家が日陰になって陰気になると言われ 庭に植えることはあまりよくないとされてきました。

 

13.枇杷の花の意味するもの

生命力の強さ、忍耐力 環境からの保護(内面の繊細さを守る) 枇杷花言葉は「治療」。

枇杷の花に気づくことも少なく、果物としてもよく食べられているわけではないけれど、葉や種でおこなわれる療法が枇杷にとっての一番の役割のようになってしまっています。 この植物の花はまるで価値がないかのような存在になってしまっているのではないだろうか。

 

寒さに弱いのになぜ冬に花が開くのか。

 

もっとも外の光が少ない時期に照らされる内面の白い光を象徴しているのかもしれない。 同じ常緑樹の花のエッセンスではオリーブ、ローズマリーがあるが地中海沿岸で育つため葉が照葉樹より乾燥に耐えるために小さい。 しかしこれらの常緑樹には肉体への作用が強いことが特徴になっています。

また薬草として使われるアルニカ、セルフヒール、ヤロウ、エケネイシャと同じように傷ついた魂を癒す力も考えられます。

 

枇杷の木は台風で倒れやすい木でありながら、木そのものは固く強い、 冬の寒い中に花が咲くのに幼果は寒さに弱い。 その弱さを守るために毛で覆われた姿をしながら、葉は年中緑を保ち、大きく丈夫でたえず活動を休むことがない。 これは強くて同時に弱さをもつ「ヒーラー」としてのアーキタイプにつながるのではないでしょうか。

メキシコのシャーマンの治療の儀式の中でもっとも強くてもっとも弱い木で作られた椅子が癒しの象徴として使われるというのを本で読み、とても興味を引かれました。

まさに枇杷にもあてはまるような気がしました。

「ヒーラー・治療者」は自分自身が傷つくことによって、相手を癒す力を持つと言われています。もっともヒーラーに力があるというよりは治療される側の力をそのことで引き出させるというほうが正しいかもしれません。 自身が再生する力をもって、それを相手の中で目覚めさせる 枇杷の花にはそんな魂の癒し手としてのアーキタイプを持っているのではないでしょうか。

 

体と心がよみがえる ビワの葉自然療法

体によく効くビワの葉療法全書―病に克つ・心と体を癒す即効家庭療法