イギリス、バッチセンターのチェリープラムです。
チェリープラムの花はバッチレメディーの花の中では一番最初に咲くと
言われています。
2月下旬から開花しはじめるそうですが、
エドワード・バックは1935年の3月にレメディーを作りました。
自分の副鼻腔炎によるひどい頭痛で苦しみ、それによって
生じる恐れや恐怖のためにチェリープラムを選んだことで有名です。
ジュリアンさんの本によると
チェリープラムは吸枝を出すことが多く、
イギリスでは生垣として利用されることが多いそうです。
実際、バック医師もウェルスプリングスの家の庭に
チェリープラムの生垣を作ったそうです。
イギリスの庭をみるとわかるのですが、
イギリスのお家にとって生垣は必須だったりします。
日本にもよくありますが、
だんだんブロック塀などが多くなってきました。
英国式のガーデンにもかかせません。
あらためて生垣の写真を探すと
なかなか見つからないものです(^^;)
このようにバックヤードガーデンの境のところなんかに
よくあります。
これはホリーの生垣@キューガーデン
よくある英国式ガーデンってこういうやつ。
植物の高さを揃えている感じ。
つまり、このような感じでチェリープラムを生垣として形づくっていたのです。
サクラ属の花が咲く木を生垣に使うというのは
日本からすると珍しく感じます。
よく見られます。
個人的には人間によって意図的に植物の形を変えてしまうのは
どうだろう・・というところはありますが、
これは同じサクラ属のサクラやリンゴの木では作れないものかもしれません。
写真ではいくつもの木があるように見えますが、
1本の木です。
ジュリアンさんによると
「たいてい幹はいくつかに分かれ、その様子は多数の『I』の文字が集まって
いるのと同様に、まるで何本かの木が一緒に成長していように見えます。」
「チェリープラムの問題は明らかに、このような個体としての全体性が侵されている点にあります。」
と書かれています。
『植物のかたちとはたらき』ジュリアン・バーナード182P
何年も実をつけることがないらしいですが、
バッチセンターのチェリープラムには実がなっていました。
(6月です)
非常にしだれていて、その中に入って写真を撮ったのですが、
枝が多すぎて、今まで写真でみていたサクラの木に似たような
チェリープラムとだいぶ違っていたので
こんなんでしたっけ・・君は??という感じでした。
こういう状態をみると感情的に影響を受けやすいとか
不安定になりやすいということがわかるような気がします。
個体性がはっきりしない植物はたくさんありますが、
こうして1本の幹をとおして主張しているか
分岐した幹によって個体がわかりにくくなっているか
見極めていくことで、
それぞれの植物の印象がわかります。
そういう目線で身近な植物を観察してみると面白いと思います。
個人的にはイギリスのインペイシェンスと日本のツリフネソウの違いが
面白かったのですけど、それについてはまた書きます(^^;)
花が咲いたところもいつか見てみたいと思いましたが、
センターの中のノラ・ウィークスの写真が
チェリープラムをバックに写しているものがありました。
参考に日本でみられるスモモの花はこんな感じ。
しかし、生垣というのは
ある意味境界です。
それはそれで興味深い点です。
コントロールできない不安定さをせきとめるかのようです。
まだイギリスでは2月、3月はなんとも寒い時期に
この白い花は咲き、
この花から煮沸法で作られたわけですが、
必ず雲ひとつない晴れた日が長い冬の終わりを告げる日として
やってきて、その日に作ることをジュリアンさんは書かれています。
『Dr.バッチのヒーリングハーブス』ジュリアン・バーナード
BABジャパン 120p
しかし、まだ雪も降るだろう時期なので、
非常に気温も低く、太陽の力は弱いものだったのかもしれません。
そんな春のはじめの冷たい空気感の中でチェリープラムの
花を見てみたいものです。
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