子どもの本の植物誌
花に関する絵本や物語を集めるには、情報が必要。
図書館や子どもの本の専門店などで偶然みつけるには本が多すぎる。
そこでこんな本をみつけた。
和田まさ子さんの「物語のガーデン―子どもの本の植物誌」
30数冊あまりの子どもの本に登場する植物などについて書かれている。
この方は植物や花が大好きであることと子どもの本が大好きであることから
この本が作られた。
その中には私の大好きな定番「ひみつの花園」から宮沢賢治の童話など
誰もが知ってるものから北欧、ロシア、アジアのお話、イギリス、アメリカ
、日本でも現代の児童文学の中からもチョイスされている。
バーネットが愛したバラの写真が載せられているのはいいが、
白黒で色がわからないのが残念。
たくさんのお話の中にいろんな植物が登場するが、
主人公の子どもたちの内面を反映しているのがおもしろい。
思えば「ひみつの花園」の扉と鍵をみつけて主人公のメアリが中に入ったことで
彼女の内面の扉が開かれるというお話の流れは典型的な花とこころの結びつきをあらわす。
「西の魔女が死んだ」というお話に登場する花はとてもめだたなくて
小さな花ばかりだが、主人公のこころを閉じてしまった少女にとっては必要な花ばかり。
いくつか読んでみたいお話があって、参考になる。
和田さんが「木かげの家のこびとたち」を読んでどんぐりのケーキを実際作ってみたことも書いてあったりして、和田さん自身のこれらのお話から個人的エピソードも交えてあり、エッセイ風になっている。