ホーソーンとベルテーン
4月30日のベルテーンの前日なので、ベルテーンと西洋山査子の話を書いておきましょう。
ベルテーンは春分と夏至の間の夏の再来を祝う異教徒のお祭りです。
ケルト人たちがこの日をベルテーンと呼び、家畜たちを放し、ハロウィーンの日まで家畜が無事でいるようにベレノス神(太陽神とされる)に祈る祭りをおこなったそうです。
ベレノス神は森と狩りと動物をつかさどる角ある神でもあり、生命と死と冥界の主であるそう。
角ある神は冬至に生まれベルテーン祭に女神と結婚し夏至に死ぬとされるので、ハデスと春の女神ペルセポネとの結婚とも言われています。
そして万物の豊穣を祈る祭りとなります。
「ベルテーン」という名前は「明るいかがり火」の意味があり、丘の上などでかがり火を灯して祝われたようです。
実はこのかがり火は9種類の違う木が薪として使われ、金属の斧やのこぎりで切ってはいけなくて、また、火をおこすのも2本の樫の木をこすりあわせるという決まりもあったそうです。
もちろんこの日は妖精たちも活発になり、自然界の力がとても高まるときです。
29日か30日がワルプルギスの夜と言われ魔女たちのサバトをおこなう日でもあります。
メイデーとして今は扱われていますが、5月を迎えるために
使われる植物のひとつがホーソーン(西洋さんざし)なのです。
夜明け前に摘むのですが、ホーソーンなどの葉にたまる露で顔を洗うと顔色がよくなって一年以内に結婚相手があらわれるなどの言い伝えもあります。
ホーソーンはばら科の木で5月に白い花を咲かせます。
イギリスではよく生け垣などに使われるようです。
メイフラワーと呼ばれるように欧米では5月の代表的な花です。
落雷よけに戸口に枝を下げておくことで厄よけ的な働きもあります。
ベルテーンのお祭りの中でメイポールという柱にリボンをつけて、
このまわりを踊り、豊饒を祝っているようです。
メイポールにはホーソーンの枝でつくった輪をさげたり、ダンスを踊る娘の中で一番美しい娘がメイクイーンとして選ばれ、
ホーソーンの花冠を頭に飾られたりもしたそうです。
メイポールそのものはケルトというより、アングロサクソン人の文化の流れからきているらしいです。
日本ではそんなになじみはないですが、中国原産でもあるので、
中国ではもう少しメジャーでしょうか。
山査子の実をドライにしたやつは薬膳にも使われますね。
甘酸っぱくておいしいのではまってたときがありました。
貧血予防にもよいのです。
ハーブ大全では花と葉、果実を利用することが記入されています。
心臓疾患や血行障害に利用されるようです。
「心臓の冠状動脈と末梢動脈を広げるフラボノイドを含み、プロシアニジンが心拍を遅くする」ということです。
高血圧にもよいそう。
Hawthornと書くのですが、ハグソーンのなまりで「ハガ」には生け垣の意味があるところからつけられているようです。
フラワーエッセンスではフィンドホーンに西洋さんざしがありますが、
こちらはなぜかHoly Thornとなってますね。
聖なる花のような。
他にもホーソーンのエッセンスが作られているメーカーはあります。
グリーンマンツリーとか。
ひとつ言えるのはこの花はフラワーエッセンスとして働くとしたら
やはりハートへの影響が一番強いだろうなということです。
日本では5月というと節供なので、花ではないけど、菖蒲が使われます。あと柏もちの柏とか。
夏への準備の時期というのが適切でしょう。
かがり火のように内なる炎をもやし、ハートを開き、夏への扉が開かれる。
※追加 FESのレンジオブライトにもホーソーンのフラワーエッセンスがあります。