原種バラとオールドローズ
5月も終わり頃、すでにバラは夏バラに変わりゆく頃、神代植物公園の原種バラとオールドローズコーナーでバラを見てきました。 目的は中国の原種バラとアルバとルゴサです。 これらはどちらかというと初夏のバラになります。
★中国の原種バラ
中国は西部とヒマラヤ地域だけでも世界の野生バラの80%以上が自生しているそうです。 大きくわけて中国のバラは3つの呼ばれ方があります。
月季花、薔薇(ショウビ)、マイカイ
月季はコウシンバラのことです。庚申は60日に一度めぐってくるカノエサルの日で、 60日ごとに花を咲かす、つまり四季咲きをするバラとして、ヨーロッパにわたり、四季咲きのもとになったバラになります。
ロサ・キネンシス 中国四川省、雲南省原産。 香りはちょっとスパイシーな感じです。私がみたときはもう終わりかけでしたが。
ロサ・マイカイ 中国北部原産。ロサ・ルゴサの原種交雑種。
日本ではどういうわけかハマナシとして紹介されることもあり、混同されています。 マイカイの文字はちょっと変換がわからず出来ません(汗) 写真をみてください。 中国茶でバラのつぼみのマイカイ茶というものがあります。お湯を注ぐと開きます。 そのマイカイです。
肝気のとどこおりをなくす気血強壮薬として中国では用いられ、胃腸の不調にもよいそうです。 つぼみをちなみに物さしで計ったところ(笑)3cmもありました。
乾燥すると小さくなるんでしょうね。かなり大きいので、これをお茶に??と思ってしまいました。 確かに実は大きくてハマナシようではあります。
しかし花弁は八重でまったく違います。茎にはとげがたくさんついています。
中国読みはメイクイです。 6月の第一日曜はヨーロッパでもバラ祭りが各地でおこなわれますが、中国北部(このバラは寒さに強い)では同じ日にメイクイ節としてお祭りがおこなわれます。
あとのショウビは一般的なバラということになります。 中国でのローズヒップは金桜子ことナニワイバラ(ロサ・レヴィガータ)らしいのですが、そのバラは終わっていました。残念。
あとこれは日本でもありますが、ツクシイバラがちょうど見頃でした。
もともとは中国中西部、アジア東北部に分布。 ほとんど木で、花径4,5cmくらいでとにかく香りがとても強いバラです。
ロサ・ムルティフローラ・アデノカエタ ふちが淡い紅色で白とムラがあります。
全体をみるとキョウチクトウのよう。
日本の原種バラたち
ノイバラ
こちらは山で撮った写真です。日本の山や河原などで5月くらいにどこでも見られる野生のバラです。日当たりのよいところにヤブになっていることが多く、たまにピンク色になるものもあります。
ロサ・フジサネンシス(フジイバラ)
ロサ・オノエイ(ヤブイバラ)
ロサ・ミクロフィラ・ヒルトゥラ(サンショウバラ)
ロサ・ルゴサ(ハマナシ)
ルゴサはイギリスで紹介されたものはスカブローサといって、ハマナシとほとんど同じようなバラです。この鮮やかなピンクが印象的です。
スカブローサ
★追加・・神代植物公園ではないですが、日本の原種バラとして沖縄のカカヤンバラも紹介しておきます。
花期は6月で遅いですが、南国の香りのする素敵なバラです。
牧野植物園にて。
カカヤンバラと同じ6月に咲く。テリハノイバラ。こちらは牧野植物園でみられるリュウキュウテリハノイバラ。テリハノイバラは葉に照りがあり、下のほうに這うものが多いです。
西洋の原種バラ
北アメリカのワイルドローズでこのとき花が咲いてたのは ロサ・ヴィルギニアナでこれからつぼみもたくさんついていました。 FESのカリフォルニアワイルドローズに似てるのかなあと思いながら観察していたのですが、カリフォルニアワイルドローズの特徴は真ん中が必ず白いことと花弁がハートの形をしていることかと思います。
その点このバラとやはり違うようです。 このバラのつぼみの腺毛はなんだかべたべたしていました。
ロサ・ヴィルギニアナ
つぼみ
ドッグローズももう終わっているっぽい感じでしたが、 ロサ・デュポンティという不思議なワイルドローズが盛りでした。 ロサ・ガリカとロサ・モスカータ・ハイブリッドの交配と考えられているようです。 パリのリュクサンブール宮殿のバラ園を造園したM・デュポンにちなんで命名されたようです。色と形が魅力的です。
つぼみは赤いのに、開いてくると白いバラになります。
ロサ・デュポン
★ダマスク・ローズ
バラの精油やローズウォーターがつくられているダマスクです。 一般的なダマスク。やはり香りがいいです。
オータム・ダマスク
その隣にあったヨーク・アンドランカスターバラ戦争のときにヨーク家とランカスター家の紋章からつくられたとか。 これは初夏の花です。
★アルバ・ローズ
ダマスケナとカニナの交雑種と考えられています。 ホワイトローズはやはりいいですね~。
セミ・プレナ
ヴィーナスとともに海の泡から生まれた白い花で、やはり「純潔」の象徴として、マリア様ともつながっていたかもしれません。 バラ戦争でのヨーク家の紋章のバラとも言われています。 半八重でシュラブ状になり、夏のバラなのでこのときとても見頃でした。 香りもとてもいい香りですがほのかです。 FESのリサーチのホワイトローズ、フィンドホーンのローズ・アルバのフラワーエッセンスはこれから作られています。 私がおこなったフラワーエッセンスの講座の中でリサーチさせていただくと くるまれるような感じとか繊細でやさしい感じ、雨の後のすがすがしさ、肩のあたりにおおわれるような感じというのが多かったようです。
マキシマ
こちらはもっと八重で、香りもセミ・プレナよりも強烈に香ります。 色もちょっとピンクのような黄色のような色を帯びています。 セミ・プレナとマキシマのちょうど間のすきまにいると非常に幸せな気持ちになり、 しばらく立っていたのですが、なんせ、まわりの目があるものですから変な人になっているのであまり長くはいられませんでした(笑
ケンティフォーリア
ロサ・ケンティフォーリア
キャベジ・ローズと呼ばれて、ローズ・アブソリュートはこの花から作られることが多いようです。八重咲きのピンクで、オールドローズらしいカップ咲きに近い状態です。 初夏咲きで実はなりません。
モス・ローズ
これも花盛りでした。ケンティフォーリアからの枝分かれだそうです。つぼみや萼に苔状の毛があるのが特徴です。形がかわいらしく、色もけっこうビビットで遠くからでも目立ちます。
チャイナローズ
中国のコウシンバラからの系統のバラをさします。
オールド・ブラッシュ
コウシンバラの一種になります。ヨーロッパに紹介されたのは1752年で一季咲きしかなかったので、コウシンバラの四季咲きがそれから知られるようになりました。 本によるとスイートピーのような香りと書いてありました。よく確認してませんでした。 初夏から冬までほとんど咲き続けるそうです。 とはいうものの、私が見に行ったときはその間だったのか花が少なかったです。
ヴィリディフローラ(グリーンローズ)
1845年に紹介された不思議なバラ。香りもとげもありません。花のようにみえるのは花弁が変化した包葉だそうです。ところどころ赤い色が混じります。 やはり四季咲きです。丈夫で育てやすいそうなのでいつか育ててみたいですね。 バラとはいえない外見のため、バラ園ではあまり人気はなさそうですが。 ハワイではレイにもされたり、フラの歌もあります。 FESのリサーチエッセンスにもあり、地球や大地に対しての共感力やハートを開くことを助けます。私はこの花に興味を引かれてたときは飼っていた猫が行方不明になっていたときで、動物(自然)との不思議なつながりを体験しました。なのでもしかして動物たちへの共感力を高めるのにもよいかもしれません。
★追加・ワイルドローズ・ロサ・カニナ
神代植物公園ではロサカニナもあったのかもしれませんが、記憶がなく、もしかしてなかったかもしれません。
都内で見られる場所として東京都薬用植物園があります。5月に見られます。
欧米では日本のノイバラなみにどこでも見られるバラですが、意外と出会うのが難しい。育てやすいので、自分で苗を取り寄せて育てるのもいいと思います。
他にもバラは数限りなく種類がありますので、紹介しきれませんが、原種を中心に紹介させていただきました。