映画からみる子供のアーキタイプ3「傷ついた子供」
子供のアーキタイプってけっこうあるのでまだまだ続きます。
たばこを吸う子供で思い出したのですが、「スタンド・バイ・ミー」の映画の中でたばこをくわえるリバー・フェニックスの姿はとても印象的です。
外国の映画にはこの映画のリバー演じるクリスのような男の子がたくさん出てきます。 私が知るところでは「小さな恋のメロディ」のジャック・ワイルドからはじまり、いわゆる不良少年と呼ばれる子供たちです。
彼らははじめからそんなふうな子供だったわけではありません。
キルドレとはまた違いますが、子供なのに大人にならざるを得ない環境がそこにあったのです。 それをよく理解できるものとして漫画なんですが、 萩尾望都さんの「訪問者」という作品は彼女がはじめて「内なる子供」をテーマにした作品で、本当に名作です。 読んでない方は先に「トーマの心臓」を読んで、オスカー・ライザーの大人っぷりをみてからがお勧めです。
そのオスカーや「スタンドバイミー」のクリスは『傷ついた子供』というアーキタイプを持っています。
特にスタンドバイミーのクリス役をリバー・フェニックスが演じてるというところがすごいのですが、リバー・フェニックス自身も実は『傷ついた子供』だったのです。
私は当時からファンだったので、亡くなったときはマイケル・ジャクソンよりも衝撃でした。 その後いろいろな雑誌などで書かれていましたが、彼の生い立ちは普通とは違う生い立ちでヒッピーの両親らとともにすごし、親の信条通りに従い、子供の頃からあけっぴろげな性を持つ親といたため、早くから性にさらされた経験も持っています。
つまり彼は早くから大人になりすぎたのです。
後にスターとなり、現実的ではない家族たちを支えるための収入源として支えていきます。 彼がビーガンで動物ものは一切使わないという健康的なイメージを持ちながら、薬物依存であったという事実は衝撃的でもありました。
役者としての才能はあったのですが、とうとう彼は本当の大人になる前にこの世を去ってしまったのです。
「スタンドバイミー」の中でクリスが親友のゴーディにだけは自分の内側をさらけます。とても大切な場面です。 ゴーディはスティーブン・キング自身の子供時代を投影した少年ですが、彼はナイーブでおとなしいけれど、実は作家にもなるくらいなので、内側には豊かな感性があります。 ちょうどヴァイオレットやミムルスのようなタイプです。
『傷ついた子供』のアーキタイプとなる花は個々に違ってくると思いますが、クリスの場合はいかがでしょうか。 アグリモニーやベビーブルーアイズなどかなあ。
すごく好きな映画の中にマット・ディモンが有名となった「グッド・ウィル・ハンティング」という作品があります。 これはクリスらがもっと大人になってから、傷ついた子供を癒す話でもあると思います。 本来は純粋な子供だったはずなのに、親からの育てられ方やひどい場合虐待など受けたことによって、子供ではいられなくなった子供はたくさんいます。 そんな子供たちは心のケアが必要です。 フラワーエッセンスもその支えとなることを望みます。
追加・「訪問者」調べてみたら、文庫版で出てるんですね。 お手ごろ価格です。永久保存版作品です。