フラワーエッセンスの植物研究ノート

自然や植物とのつながり、フラワーエッセンスのことなど

彼岸花の植物研究

2005年の10月22日に書いた記事です。

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ヒガンバナの分類プロフィール

曼珠沙華彼岸花

学名 Lycoris radiate

分類 ヒガンバナ科リコリス属 多年草

分布 日本 中国

花期 9月中旬~下旬

花の特徴 秋のお彼岸ごろに地下茎から高さ30~50cmの花茎が出て、その頂に花が4~12個輪状に開く。葉が変形した6枚の花被片はきつく外側に反り返り、縁はちぢれている。

6本の雄しべと1本のめしべは長くのびている。朱赤の花。

全草にアルカロイドなど含む有毒植物である。

曼珠沙華は「天上の華、赤い花」を意味する。

英名はハリケーンリリー、レッドスパイダーリリー

 

リコリス属の種類 

原種および自然雑種は15ほどで園芸種を含めると50以上あるらしい。

先に葉が出てから枯れて花が咲くタイプと先に花が咲いて終わってから葉がでるタイプとある。

リコリス属にはキツネノカミソリナツズイセン、スプレンゲリ、ショウキズイセンなどある。

 

★ 空間との関係 

実を結ばず、球根で増えるため、群生して咲く。そのため密集した感じが強いが、外向きに花弁が反り返るので、花の中心は空間がある。自己の内面のスペースを保ちながら、鱗茎で増えていくため深いところでのつながりや集団を意識する。

 

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★ 時間との関係、季節の周期 

花の時期は短い。毎年秋分前後に花が咲き、10月には終わっている。地面から花茎がのび、花が開き、冬に葉が出て、夏前にはなくなるという不思議なサイクルがある。

栄養を冬の間にためて

貯蔵する力をもち、時期がきたら使い果たすというのは何かに備えて準備しつつ、

その時が来たら

そのエネルギーを使うことを私たちに教えてくれているようにも思われる。

 

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燃え尽きた後の彼岸花

 

★環境との関係 

日本では主に田んぼの隅やお墓のすぐそば、寺院など人里の身近なところでよく見かけ、人のいないところではほとんど見かけない。人間との関わりの深さと生と死との関係も感じられる。昔、土葬だったときに小動物から遺体を守るため毒を含むこの植物が植えられたとされるが、境界線のように囲んでいるので、保護や境界との関係も考えられる。

 

★四元素との関係  

じめっとした水気のある場所が多いことや球根であることから水の要素は強いと思われる。

地上に顔を出し、花が咲くまで非常に早く成長することや

真っ赤な目立つ花の色から火の要素もおおいに感じられる。

一方地は弱いかもしれない。

風は真ん中の空間や葉のない茎のすきまには感じられるかもしれないが、

比較的弱いように思われる。

 

★ 自然の他の界との関係

やはり人間界との関わりが深い。

飢饉のときに球根のデンプンだけは水でよくさらして毒を抜いて食用にしていたことから「生きる」ことへの貢献もある。

それとどうしても秋分の頃の開花とかお墓のそばに生えていることから

霊界とのつながりも強いかもしれない。

(2017/9/28追加)

蜜を吸いにクロアゲハなどの蝶がたくさんあらわれるので、

蝶との関わりもある。

とくに黒い蝶が多いので、とても神秘的で光と影をハッキリ意識させる。

 

★色  

このように輝くような赤い花は日本ではめずらしいかもしれない。

もともと中国から渡ってきた花とされるので、中国によく象徴される赤に近い感じがある。

茎の鮮やかな黄緑とのコントラストも目立ち、日頃姿が見えないだけに「ここに存在する」ということをアピールする力を強く持つ。

 

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★化学成分と作用 

球根にリコリンというアルカロイドを含み有毒である。

漢方薬にも実はあり、浮腫や痔、歯の痛みなどに用いられる。

 

★ 伝説神話・伝承、精神的および儀式的用途

言い伝えなど日本で呼ばれている呼び名が何百もあることからいろいろあると思われる。

やはり不吉なイメージがつきまとい、家に植えると火事になるとかよくないイメージが強い。

 

日本人にとってなじみの深い花である。

そして連想されるのは「死」

 

彼岸花が英名でハリケーンリリーというのは最近知った。

確かに突然花が咲いて突然なくなるこの花とハリケーンや台風が多い9月という時期から、

ぴったりくる名前でもある。

それがアラスカのフラワーエッセンスにある火事の後に咲くファイアーウィードや洪水の後に咲くリバービューティーとニュアンス的に似た感じがした。

マジェンダではないが、この赤は再生するためのエネルギーの赤のように思われた。

 

★天体、占星術との関わり

そしておもしろい発見をした。

彼岸花蠍座冥王星と深く関わっているということ。

蠍座が持つ火と水の要素、冥界、霊と関係することでも知られている。

彼岸花がお墓の近くに植えられ、死者の蘇りも意味されることも

あることから、再生や霊魂との関わりはあるでしょう。

アンタレスが赤い星であることや蠍の色からも赤という色はつながりがある。

 

一年のサイクルでも昼より夜が長くなり始める秋のお彼岸ごろから

咲き始め、大きく切り替わる時期であること、有毒植物であること

は死と再生をテーマとする冥王星とおおいに関係するように思われる。

 

冥王星は身体の部分でいうと生殖器と関係するが、

彼岸花がゆり科に似ている球根の植物であるところから

も考えられるが、

蠍座の持っているテリトリー意識、限界を超えたところの境界線

それが体でいうと一番個人的な場所である生殖器ということに

なり、他者との関係性の深さをあらわす。

 

彼岸花を上からみたときに真ん中にスペースがあるのは

この行き過ぎた境界線にゆとりを感じる力を持つようにも思える。

 

私が思うのは冥王星のトランジット時に個人的に使えるのでは

ないかということだ。

使用するタイミングがあるとは思うが、彼岸花蠍座冥王星

マッチする花であることは間違いないように思える。

 

災害や戦争などの大きな打撃の後に乗り越えていく力をもしかしたら持っている

かもしれない。もともと日本では飢饉にそなえて彼岸花を植えていたくらいだから。

 

 ★ヒガンバナの他の種類

ちなみに白い彼岸花は黄色いショウキズイセンと赤の彼岸花の交配種だ。

最近なぜかよく見かけるような気がする。

黄色の花も今年見た。

これは赤と違ってひとつだけとかぽつんと咲いている。

より大きくてゆりっぽい。開花も遅く10月上旬に咲く。

 

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