花のアーキタイプ
ここでフラワーエッセンス療法で知っておくべき「アーキタイプ」について説明しておきます。
クライアントに話をしていても「アーキタイプ」って何ですか?
とよく質問をされるので、ユング心理学などにとくに関心がなければ
わからない言葉だと思います。
アーキタイプというのは集合無意識で本能的な枠組みの総称です。
あらゆる人の中に存在するイメージやシンボルといったほうがわかりやすいでしょうか。
神話の中に登場する「ヒーロー」や「母親」「悪魔」といった要素。
ユングは代表的な元型(アーキタイプ)として「アニマ」「アニムス」「グレートマザー」「トリックスター」「シャドウ」「セルフ」「オールドワイズマン」などあります。
ユング心理学ではこのアーキタイプを用いて、クライアントのイメージやシンボルを夢や内的な話、あるいはセッションの中でおこっていること、特にユング派では箱庭や夢分析、アートなどそれらをより掘り起こさせるような療法になっていますが、その中でクライアントの内面のプロセスをより育てていくようになるのです。
アメリカのFES(フラワーエッセンス協会)ではそれをアルケミーのプロセスとしてとらえ、魂の変容につなぐためにフラワーエッセンスを用いているわけです。
『フラワーエッセンス療法は人間の魂と自然の魂の関係を取り扱うものであり、二つに別れたアルケミーの伝統を統一し直す。それは新しい魂のアルケミーの先触れであり、古代の智恵を、人間の精神と自然についての現代の認識と統合するものだ。花咲く植物から生成されたエッセンスは、アルケミー的なクィンタ・エッセンティアを生み出し、自然のアーキタイプと人間の魂のアーキタイプの間で魂の対話を促す。』
「フラワーエッセンスレパートリー」より。
なので、花をみたときに多くの人が共通して感じるイメージがあります。
「桜」の花をみて感じることはどんなことでしようか。
また、桜は日本人とアメリカ人では異なる反応があるでしょう。
それは桜が日本人のアーキタイプにより近い花であることからくると思います。
「桜」をみたときに「日本」という言葉を思うでしょう。あるいは「和」という言葉かもしれません。「一年」という時間を思う人もいるかもしれません。
「また今年も桜が咲いた」「今年も桜の季節がやってきた」と思う人が多いからです。桜を一年の基準とおいていることが多いと思います。
また、日本人は寄席などで笑いを増すために呼んだ人たちを「サクラ」と言いますが、この言葉からも桜は「花がある」「にぎやかになること」など春の象徴であり、高揚感を増すものでもあるという認識があります。
それらがアーキタイプとして日本人の中にあるのです。
フラワーエッセンス療法では花の中にあるアーキタイプと共鳴することによって、個人の中にある魂のアーキタイプを育てたり、呼び覚ましたりすることを可能にします。
日本人として生まれたことに何か自分の中で意味をみいだせないとか
日本より海外で暮らすことが多いとか何か「日本」というキーワードで
ひっかかりがある人がもしかしたら桜のフラワーエッセンスを飲むことで日本人であることの意味を見いだすことも可能になるかもしれません。
つまり、花のアーキタイプを理解していくことはフラワーエッセンスを用いていく上でとても重要な要素であるといえます。