日本は日出る処の国であり、日の丸を国旗とし、太陽神であるアマテラスを奉っている国です。
太陽を神とするのと自分の中の太陽を意識するかどうかはちょっと別かもしれません。
日本人の性格からして奥ゆかしく、自分を卑下するような日本語を使い、和を乱すようなことはせず、控えめに主張する傾向があります。
占星術の年齢域では太陽年齢は25歳から35歳で、このときに自分の太陽意識を発達させるのですが、通常なかなかそれを発揮できる人は少ないと思います。
太陽は自己実現に深く関係します。自分が社会に対して活動する資質をどれだけ発達させられるのか、それどころか現在は25歳から35歳でニート・フリーター、失業者という立場の人も少なくなく、自己の太陽の性質を感じられる人自体が少ないのではないかと思うことがあります。
松村潔さんの「占星術のシクミがわかる本」という本にこんな記述があります。
『ユダヤ教に由来する神秘思想カバラでは、太陽には「犠牲」という意味があると記されていますが、古い肉体や古い環境を犠牲にして、新しい環境に全身で飛込めば、古い記憶は一度失われても、その本質は、新しい環境で再生し、失うものなど何もないどころか、さらに優れた価値を見出すことになるのです。思いきって失えば失うほど、再生は完全な形で起こります。』
これを読んで、太陽は何かを得ようとしている自分であり、自分を生まれ変わらせるものであり、本来の自分の輝きでもあるなと思いました。
さらに松村さんの同本より
『太陽の働きの極意は、何かを得ようとするときに、それが外からやってくるものではなく、自分の中で意欲的に意志することで、結果的に、外界からのチャンスが引き寄せられてくる、という現実を認識することです。危ないときに、誰かに助けてほしいと願うことなく、自分を信じるから、自分は大丈夫だと確信し、そのように行動することで、結果的に助かることに似ています。』
フラワーエッセンスを使うときにこの太陽は重要なポイントでもあります。
フラワーエッセンスに何かしてほしいという考えではなく、自分がどう意図して花を選択し、主体的に扱っているかということで触媒作用の幅が大きくなるのです。
もともと生まれたときのチャートに太陽がハードアスベクトを形成し、傷ついていたり、あまり活動的でない場合、どうしても太陽の性質が弱くなります。
「自分という存在がわからない」
「自分がこの世にいる意味が見出せない」
「自分に価値があると思えない」
そうなると太陽は眠ったように意識の奥にひっこんで、アマテラスが岩戸の中に隠れたように闇が広がります。
それがウツとして症状であらわれる場合もあります。
日本は自殺者が多く、ウツを煩う人が非常に多いのも何かそんなことと関係するのではないかとも思います。
太陽の意味は「能動性、男性性、自我、自己、意識的な姿勢、社会で発揮すること、自己実現など」。
太陽を象徴する花と言えば、サンフラワー、ひまわりですが、この花はもともとメキシコあたりの花で日本人的かというと微妙です。それがぴったり合う人もいるのですが。
ひまわりは陽の要素がとても強い花で、FESのフラワーエッセンスにあります。
太陽の力をバランスさせる働きを持ち、自己の真の輝きや男性性を引き出してくれます。
自信がないからいきなりサンフラワーを使うというよりも、自分を卑下する傾向のある人が自信をとってつけたように追加するというのはどうも難しい気がします。
もともとの性質がサンフラワータイプの人ならともかく。
自分とサンフラワー、太陽と自分の関係をよーく考えた上で使うといいかもしれません。
太陽の性質をもつ花・植物の特徴は
★基本、夏至近く・夏の花であり、日照時間を多く必要とする。
★安定感があり、強い花である。(茎など特に)
★主張するように目立つ花
★横にはうのではなく、垂直に伸びる。
★群生することもあるが、ひとつでも開花できる。
★色は輝くような黄色やオレンジで花の形は全体に丸い形
★温かく乾いた性質、柑橘系の果物ができる植物。
この条件に合いそうなフラワーエッセンスとなっている花は
サンフラワー(FES)
アンジェリカ(FES)
チコリ(Bach)
エケネイシャ(FES)
カリフォルニアポピー(FES)
カレンデュラ(FES)
ジニア(FES)
ダンデライオン(FES)
ヤロウ(FES)
ブラックアイドスーザン(FES)
タンジー(FES)
ゴールデンロッド(FES)
バターカップ(FES)、セントジョンズワート(FES)、ローズマリー(FES)も太陽と関連されている植物ですが、キク科植物のような個人性を強調する要素はそれほど強くはありません。しかし内側で輝かせる要素を持っていることは間違いないので、あげておきます。
最初に書いたように日本人は太陽の性質とリンクしている自我の構造が外国の人と比べ、ぱりっと境界がはつきりしていないため、いきなり自信なくおとなしい人にサンフラワーというと取ってつけたように感じます。
上記の植物の中で日本の地にわりと溶け込んでいる植物(近縁種含む)をさらに絞ると
カレンデュラ、バターカップ、セントジョンズワート、ダンデライオン、ヤロウ、アンジェリカあたりでしょうか。
タンジーは外来種ですが、花そのものはそれほど目立ってはいなくて、日本人向きなかんじがします。観察できることがあればぜひ見てください。植物全体の大きさや茎の強さは非常にしっかりしています。
ゴールデンロッドは夏の花ではないのですが、垂直に伸びる個人性と黄色という色からあげました。また、日本にもアキノキリンソウやセイダカアワダチソウなど近縁種もあり、なじみがあります。
カリフォルニアポピーは日本にはもともとありませんが、近年日本で帰化しているナガミヒナゲシはカリフォルニアポピーに少し似たオレンジの明るい花を咲かせています。
ルミニスエッセンティアという日本のフラワーエッセンスの中にナガミヒナゲシはあります。他にもたんぽぽ、きんぽうげもルミニスに含まれます。
写真を眺めて(あるいはネットでいろんな写真をみて)、何か非常に惹かれる花がないか見てみましょう。
◆どんなときに取り組むべきか。
太陽意識を発達させるのはユング心理学の個性化と同じようなものなので、常時取り組むことが出来ますが、太陽は父親(日本では母親にあてることもできる)と関連づけられているので、まず自分と両親との関係に取り組みたいときに考えることが出来ます。
あと実際に自分と太陽について考えます。太陽は一年の周期を持つので、一年という枠で見てみます。春、夏、秋、冬と自分の意識の変化に特徴があるでしょうか。
それから自己実現として、自分について書き留めます。
やりたいことは何か、何をやることで自分は喜びを感じるのか、自分をどのように主張できているのか、主張できないのはどんなときか、自分についてどう感じるのかなど。
自己観察記録をつけます。
実際、自己実現というテーマで取り組みたい人はワイルドオート(Bach)、カリフォルニアワイルドローズ(FES)、ブラックベリー(FES)、セルフヒール(FES)、セントーリ(Bach)、ラーチ(Bach)、マウンテンプライド(FES)、トランペットヴァイン(FES)など組み合わせながらおこなうとよいサポートとなります。
自分の存在意義は得ようとしてすぐ得られるものではないと思います。
自分はこれをやりたいと思ってはいても、はたしてそうなのか?と思うときもあるし、誰からも必要とされていないような感じになるときもあります。
自分を輝かし、それを思い出させてくれるような花、自分にとっての太陽という象徴の花をひとつ探すのはタイプレメディーと近いことかもしれませんが、その花を意識するだけで心強く感じるのではないでしょうか。